神社
知識
 
玉 垣(たまがき)
 玉垣の「玉」は「神聖な」「美しい」などを意味する美称で、玉垣は「垣(囲い)」を美化した言葉です。つまり、玉垣は「神聖な場所の周りを囲う美しい囲い」という意味です。日本では古くから、石や巨木を崇拝する信仰がありましたが、神社神道が確立され、社(やしろ)が建立されるようになると、本殿や拝殿を石や板で囲むようになり、それが現在の神社やお墓にある玉垣に変わっていきました。
 神社神道が確立し神社が作られる前は、神事を行う場所がその時々で違っていて、祭りのたび に神籬(ひもろぎ)と呼ばれる神域が作られました。神籬は神事が行われる場所の周りに玉垣をめぐらし、注連縄で囲うことで神聖を保つもので、神社で神事が行われる時代になると、社殿の周りに玉垣が作られるようになりました。

<玉垣の由来>
 日本には石を崇拝する習慣が古くからありました。ご神体になっている石の磐座(いわくら)を中心とした祀場の周りを囲ったのが玉垣の始まりとされ、一番古い玉垣は樹木をめぐらせる柴垣でした。1つの土地を他の土地と仕切るために、竹や柴(山野に生える 小さな雑木)で作られた低く隙間のある囲いが垣で、現在でも一般的な家屋にも用いられています。
<玉垣の種類>
瑞垣(みずがき):神社の社殿や境内の周囲めぐらす垣のことです。「瑞」は「玉」と同じように使わる美称で、瑞垣は殿に最も近い玉垣をさします。
内玉垣(うちたまがき)・外玉垣(そとたまがき,とのたまがき):垣が二重に設けられている場合は、内側を「内玉垣」 外側を「外玉垣」と呼び、外から内に行くにしたがって造りが細かく、装飾が多くなります。
板垣(いたがき):神社の境内の最も外側にある板塀状の玉垣です。
朱(しゅ)の玉垣:神域の内外を区切る斎垣(いがき)を赤く塗ったものです。斎垣とは、みだりに人が立ち入ることを許されない神社の神聖な土地のまわりの垣をさします。   終活手帳