神社
知識
 
神 輿(みこし・しんよ)
<渡御祭(とぎょさい)>
 各地の神社では祭りに伴い、神輿の渡御がおこなわれています。この時には神社にお鎮まりになっている神様が神輿にお遷りになり、氏子の手により氏子地域を巡幸していきます。この祭りにより神と人とが一体となり、人々は祭りを通じて活力を取り戻し、神様もこうした人々の姿を見て喜び、渡御する地域の各家々に御神徳を与えて下さると信じられています。
 神輿を激しく揺さぶる動作には、神の霊威を高めて五穀豊穣や大漁を願う意味があるようです。さらに、肩に担ぐのも、人より高い位置にすることで神様を敬愛する気持ちを表しています。神道いろは

<神輿を担ぐようになった起源>
 通説として狩猟時代に行われていた収穫祭の祭壇が起源であるとされています。移住生活であったため、その都度祭壇は取り壊されていたのですが、農耕時代になり人々が定住するようになると神様にも定住してもらうために社が作られ、神様の移動のために神輿ができ、担ぐようになったと言われています。

<神輿の起源>
 文献上に神輿が現れたのは奈良時代になります。
 九州で起こった「隼人の乱」の平定のため、時の朝廷が軍を派遣した際に、宇佐八幡宮にも勅使を派遣して戦勝を祈願したところ、「(八幡神自らが)神軍を率いて討伐に行く」と神託が出たため、八幡神を乗せる神輿を作ったとされています。
 さらにその後に聖武天皇が東大寺に大仏を建立する際、これを助けるために宇佐八幡神が屋根に鳳凰を乗せた輿に乗って奈良の都にやってきたと言われ、この時の輿が「神輿」の原型とされています。

<なぜわっしょい と云うのか>
①和上同慶説
神輿渡御では、神社から神霊がお出ましになったことを知らせるた め、「和上同慶(わじょうどうけい)」という掛け声が用いられてい ました。この「和上同慶」の「和上(わじょう)」が「わっしょい」に転じた。
②和一緒意説
「和一緒意」や「和を背負う」からきている説。古代日本は「和」と 表現していた時代がありました。「わっしょい」は、皆で団結し頑張りましょうの意味です。